「この子たち、なんかいいな」と思ったアイドルがいました。
グループの名前もメンバーも知らなかったけど、ふと目にした動画でひとりの子に惹かれて、そこから気づけば、関連動画を次々に見てしまっていたんです。
「推し活」って言葉を聞くたびに、どこか他人事のように感じていたけれど──
もしかして、自分も知らないうちに“踏み込んで”たのかもしれません。
誰が誰かわからない──でも、それでいい
“推し活”という言葉がよく聞かれるようになったのは、ここ数年のこと。
でも、自分には長いこと縁がない世界でした。
そんな中で出会ったのが、FRUITS ZIPPERとCANDY TUNEという2つのアイドルグループだったんです。
櫻井優衣と立花琴未──“きっかけは1人の印象”だった
どちらのグループも、最初に知ったのは“グループ全体”ではなく、ひとりの存在でした。
FRUITS ZIPPERは、バラエティ番組「あざとくて何が悪いの?」に出演していた櫻井優衣さん。
CANDY TUNEは、TikTokで偶然目にした立花琴未さんのファンサ動画がきっかけです。
この立花さんの動画は、ファンのひとりであるりゅーのすけさんによるもので、その“神対応すぎるファンサ”が「公式より公式」と話題になっていました。
「きっかけの子」から、グループ全体へ広がる興味
櫻井さんや立花さんを起点に、それぞれのグループの他のメンバーや楽曲、ライブ映像を知っていくうちに、「この子たち、応援される理由があるんだな」と感じるようになりました。
何より、曲やパフォーマンスだけじゃなく、“ファンとの距離感”がすごく近いのが印象的だったんですよね。
SNSを通じて、リアルタイムで成長していく感じ。
そして、ファンも一緒にその歩みを楽しんでいる感じ。
そうやって、一人の存在をきっかけに、気づけば“全体”が気になっていく。
たしかに──これが「推す」という感覚の入口なのかもしれません。
プロデューサーが同じ?そこで一気に“線”がつながった
ふたつのグループを別々に知ったはずなのに、なぜかどこか似た雰囲気を感じていたんです。
その“共通点”が、あとから思わぬところでつながりました。

似とるっちゃ思ったら、やっぱ“根っこ”が一緒やったとよ!
「木村ミサ」という名前を後から知った
FRUITS ZIPPERとCANDY TUNEを知り始めてしばらく経った頃、ふとしたタイミングで目にしたのが「木村ミサ」という名前。
どちらのグループも、この人がプロデュースしていたことに気づいた瞬間──
頭の中でバラバラだった線が、すっと一本にまとまった気がしました。
元々はアイドルとして活動していた木村ミサさん。
その彼女がプロデューサーとして、今度は裏側からグループを支えている。
ステージに立っていた人が、ステージをつくる側へ。
この“経験者ならでは”の視点が、グループの空気感に自然とにじみ出ているのかもしれません。
自分たちが観てきた“プロデューサー像”との違い
自分が中高生だった頃の「アイドル×プロデューサー」といえば、つんく♂さんや秋元康さんのような、業界の重鎮が大きなスケールで“仕掛けていく”イメージでした。
でも、木村ミサさんのプロデュースはそれとは明らかに違う。
- 圧をかけるのではなく、魅力を引き出す。
- 形を決めるのではなく、成長に寄り添う。
ファンとの距離感もそうですが、作り手としての距離感も近いからこそ、“みんなで育てていく”感じが出せるのかもしれません。



“プロデューサー感”がないのに、“ちゃんとプロデュースされとる”っち、不思議な安心感あるっちゃね。
“今どきアイドル”はテレビよりTikTokとYouTube
グループの存在を知ったきっかけは、テレビではありませんでした。
なんとなく流れてきたTikTokや、たまたま開いたYouTube。
気づけばそこが“入り口”になっていたんです。



テレビが“本編”やった時代は、もう過去形かもしれんね〜。
テレビからネットへ。発見の起点が変わった
昔のアイドルは、まずテレビに出ることで認知が広がっていったものです。
音楽番組に出て、バラエティで見かけて、CDのリリースでようやく名前を覚える。
でも今は、TikTokの1本の動画で一気に見つかる。
自分の場合も、CANDY TUNEを知ったきっかけはTikTokの“ファンサ動画”でした。
ファンが撮った映像が、まるで公式のような完成度で広がっていて、そこからグループを調べる…という流れは、かつてなかった感覚です。



いまは“どこで見たか”やなか、“どれを見たか”やけんね!



スワイプ一発で、人生の“推しルート”突入って感じだね。
楽曲が“キャッチーで速い”理由も、時代に合ってる
もうひとつ印象的だったのが、曲のテンポがとにかく速いということ。
どちらのグループも、イントロからサビまでが短くて、メロディが耳に残りやすい。
そして、ダンスや振り付けが“動画映え”するように設計されているようにも感じます。
昔のアイドルソングにあった“じっくり聴かせる”曲とは、まるで違う構造。
でも、それが今のTikTokやYouTubeの視聴テンポにピタッと合っているんですよね。
再生時間が短い=一瞬で引き込む力が必要。
その中でどう“印象を残すか”がすごく考えられている気がします。



1分で耳に残る歌、10秒でバズるダンス──それが今の勝ちパターンなんやね。
「ファンと一緒に育つ」ってこういうことかも
FRUITS ZIPPERは、すでにブレイクした状態で知りました。
でもCANDY TUNEは、ちょうど“これから売れていく”というタイミングで出会えた。
──この違いが、自分の中でとても大きかった気がするんです。



“デビュー前から見てた”って、あれ…ほんとに特別な感情やけんね。
CANDY TUNEが“売れる途中”に知れたという特別感
CANDY TUNEを知った頃、まだテレビでの露出はほとんどなく、ライブの規模もコンパクトで、SNSのフォロワー数もそこまで多くはありませんでした。
でも、だからこそ──
「ここから大きくなる瞬間に立ち会えるかも」という期待感があったんです。
- 「今、この子たちを見つけている自分」
- 「これから“売れていく過程”を見られる自分」
そんな風に、自分の視点ごと巻き込んでくれるような感覚があって、ただ“見てるだけ”なのに、どこか参加してるような気持ちになる。
それが、推し活の醍醐味のひとつなのかもしれません。
コメント欄の熱量が、“推し活”を教えてくれた
YouTubeやTikTokのコメント欄って、普段はあまり見ないタイプなんですが、CANDY TUNEの動画だけは、なぜか毎回スクロールして読んでしまいます。
そこには「俺たちでもっと大きな会場へ連れていこう」とか「このメンバーの魅力、もっと広まってほしい」みたいなコメントがずらっと並んでいて。
それを読んでいるうちに、「推し活って、応援じゃなくて“共闘”なんだな」と思いました。



コメント欄が“戦場”みたいやもんね!



いや、あれは“ラブレターの山”やな…情熱がすごい。
推しがいない自分でも、ちょっと“わかった気”になれた
どっぷりハマってるわけじゃない。
グッズを集めたり、現場に通ったりしてるわけでもない。
それでも──
気づけば、動画を何本も見て、曲を何度も聴いて、コメント欄の“あたたかい戦場”に共感している自分がいました。



それ、もう“片足突っ込んどる”って言うとよ?
もしかしたら、自分の中にも推し活の種があるのかもしれない
これまでは、“推し活”って誰か特別な人がするものだと思っていました。
でも今は、「ああ、こうやってハマっていくんだな」という感覚が、少しだけわかります。
- その存在が日常にちょっと彩りをくれる。
- その人の活躍が、自分ごとのように嬉しい。
そういう気持ちが芽生えたとき、「誰かを推す」って、そんなに遠い世界の話じゃないんだなって思えたんです。
推すって、“支える”じゃなくて、“一緒に見届けること”だった
推すって、支えることじゃない気がしてきました。
どちらかというと、“同じ時間を見届けたい”という気持ちに近い。
この子たちがどう成長していくのか。
あのコメントを書いた人たちは、次のライブで何を感じるのか。
たぶん、全部ひっくるめて「推し活」なんですよね。
だから、自分に推しがいないと思ってたけど、じつは“ちょっとだけわかる人”にはなってたのかもしれません。



“推し”ってさ、いつの間にか“自分ごと”になってるもんなんだね…。
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